ウイルスはどうやって私たちの生活に入り込んでくるのでしょうか? 未知のウイルスと闘うための基礎知識を学びましょう。
OUTLINE
ウイルスはとても小さな病原体です。その一種であるコロナウイルスは風邪の原因の一つになります。今、流行している「新型コロナウイルス(正式名はSARS-CoV-2)」はコロナウイルスの新種です。
ウイルスって生き物じゃないの?:ウイルスとは
感染症の原因の一つであるウイルスは、とても小さな病原体です。せいぜい10~100nm(1㎜の1万~10万分の1)の大きさで、スギ花粉の100~1000分の1くらいです。色もついていません(イラストなどは想像で色をつけているだけです)。そもそもウイルスは自分だけの力では生き延びれず、放っておくと数時間から数日で壊れてしまいます。別の生き物(宿主と呼びます)の中に入って初めて増えることができます。このため、ウイルスは生き物ではないとも言われています。
コロナウイルスの中でも新型のウイルス
「新型コロナウイルス(正式名はSARS-CoV-2)」はコロナウイルスの一種です。コロナウイルスはその形が王冠のようにみえることから、王冠を意味する「コロナ」という名前がつけられました。比較的性質が変わりやすい(変異しやすい)タイプのウイルスです。風邪の原因として知られていますが、2002年に発生した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や2012年に発生した「中東呼吸器症候群(MERS)」の原因であったことから有名になりました。今回のコロナウイルスは、これまでとは違う新種のコロナウイルスなのです。
どうやって体に入ってくるの?:感染経路
新型コロナウイルスは飛沫感染、接触感染で感染します。手、口、鼻から体の中に入ってくると考えてください。コロナウイルスは、症状がない状況でも感染させる力があるのが特徴です。お互いに症状がないから大丈夫だと思い込んではいけません。感染を防ぐには、とにかく手洗い、マスク、そして消毒が大切です。
- 飛沫感染:感染者の咳やくしゃみ、会話の際のツバなどによってウイルスが水分に包まれた状態で飛んできます。せいぜい1~2mの範囲までしか飛びませんが、それを口や鼻から吸い込んで感染します。
- 接触感染:病原体に触った手で口や鼻、目などを触って感染します。
参考文献:
厚生労働省 「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 第3版」
国立感染症研究所 「新型コロナウイルス感染症の直近の感染状況等」
※2020年12月現在の情報を参考に作成しています。