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新型コロナウイルスの感染予防は、手洗いやマスク、消毒をすることと、人との距離を保つことが基本です。今回は、正しい消毒のポイントとその効果についておさらいしましょう。
基本が大切、感染予防策
新型コロナウイルスの感染を防ぐには、とにかく手洗いやマスク、消毒をすることと、人との距離を保つことが大切です。新型コロナウイルスは、飛沫感染と接触感染で感染することはこちらの記事でもお伝えしました。病原体を含む飛沫を吸い込まないようにするためには、マスクの着用や人との距離の確保が重要です。さらに、身の回りのものを消毒することで、手や指につくウイルスを減らす効果が期待できます。
「消毒」と「除菌」は違うんです
消毒と除菌の違いについて以下のように定義されています*1。
消毒
菌やウイルスを無毒化すること。「薬機法*2」に基づき、厚生労働大臣が品質・有効性・安全性を確認した「医薬品・医薬部外品」の製品に書かれます
除菌
菌やウイルスの数を減らすこと。「医薬品・医薬部外品」以外の製品で書かれます。「消毒」とは言えなくても、一部の洗剤や漂白剤では実際には細菌やウイルスを無毒化できる製品もあります
どの製品を選ぶ場合にも、目的に合った製品を選ぶことが大切です*3。
手指のウイルス対策
こまめな手洗いを心がける。石鹸やハンドソープを使った丁寧な手洗いを行うことで、十分にウイルスを除去できるため、さらに消毒剤等を使用する必要はありません。ただし、手洗いがすぐできない場合にはアルコール消毒が有効です。
身の回りのもののウイルス対策
テーブル、ドアノブなどの身近なものの消毒には塩素系漂白剤や、一部の家庭用洗剤が有効です。
空間のウイルス対策
定期的に換気を行う。
(WHO(世界保健機関)は、新型コロナウイルスに対する消毒に関する見解の中で、「室内空間で日常的に物品等の表面に対する消毒剤の空間噴霧や燻蒸をすることは推奨されない」としています*4。また、2020年3月には「新型コロナウイルスにも有効」といった表示がされている一部のマイナスイオン発生器や空間除菌商品の効果に関して、根拠が認められないとして消費者庁が注意喚起を出しています*5。誇大広告には惑わされないようにしましょう)
「次亜塩素酸XX」に注意!人にはダメ!
テーブル、ドアノブなどには、アルコールよりも熱水や塩素系漂白剤、一部の洗剤が有効とされています*6。
市販の塩素系漂白剤では、その主成分である「次亜塩素酸ナトリウム」が有効です*7。次亜塩素酸ナトリウムは市販の家庭用漂白剤などに含まれています。濃度が0.05%になるように薄めて拭き、その後、水拭きしましょう。間違っても、空間への噴霧はしないでください。次亜塩素酸ナトリウムは物品の消毒用です。
似た名前の「次亜塩素酸水」はまったく違うものと考えてください。また、こちらも人が吸ってしまいそうな空間への噴霧はしないでください*8。
その他、身の回りのものの消毒には市販の家庭用洗剤の主成分である「界面活性剤」も一部有効です。有効な界面活性剤が含まれている製品のリストが、独立行政法人 製品評価技術基盤機構のWebサイトで紹介されています。
次亜塩素酸ナトリウム液の作り方
厚生労働省のWebサイトでは、身近に手に入る商品を使って、身近なものの消毒に有効な次亜塩素酸ナトリウム液の作り方が紹介されています*9。使用時には、換気や家事用の手袋を付けるなど、商品パッケージや各メーカーのWebサイトの説明を参考にしましょう。
※厚生労働省 「新型コロナウイルス対策 身のまわりを清潔にしましょう」を元にHealth Amulet編集部作成
参考文献:
※1、3 厚生労働省 「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」
※2 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
※4 WHO 「Cleaning and disinfection of environmental surfaces in the context of COVID-19」
※5 消費者庁 「新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品の表示に関する改善要請等及び一般消費者への注意喚起について」
※6、7、8 厚生労働省 「新型コロナウイルス対策 身のまわりを清潔にしましょう」
※9 厚生労働省 「「次亜塩素酸水」を使って モノのウイルス対策をする場合の 注意事項」
※2021年1月現在の情報を参考に作成しています。
作成:Health Amulet編集部