OUTLINE
新型コロナウイルスの感染予防は、手洗いやマスク、消毒をすることと、人との距離を保つことが基本です。今回は、正しいマスクの付け方とその効果についておさらいしましょう。
基本が大切、感染予防策
新型コロナウイルスの感染を防ぐには、とにかく手洗いやマスク、消毒をすることと、人との距離を保つことが大切です。新型コロナウイルスは、飛沫感染と接触感染で感染することはこちらの記事でもお伝えしました。飛沫感染では、感染者の咳やくしゃみ、会話の際のツバなどによってウイルスが水分に包まれた状態(飛沫)で飛んできて、それを吸い込むことで感染します。病原体を含む飛沫を吸い込まないようにするためには、マスクの着用や人との距離の確保が重要です。
エアロゾルって何?
新型コロナウイルスの感染には飛沫感染に加えて、「エアロゾル」による感染の可能性も指摘されています*1。エアロゾルとは、空気中にただよう微粒子と考えてください*2。新型コロナウイルスの病原体を含む飛沫やエアロゾルによる感染をある程度防ぐことができるのが、マスクの着用なのです。
正しいマスクの付け方
マスクには、上下と裏表があります。買った際に必ず確認しましょう。厚生労働省が公開している「正しいマスクの付け方*3」では、以下のポイントが挙げられています。
- マスクを付ける前にしっかり手洗いをする
- マスクを鼻の形に合わせ、すき間を防ぐ
- マスクを下まで伸ばし、顔にフィットさせる
市販のマスクとして手に入りやすい不織布マスクは使い捨てにし、使い終わったマスクはビニール袋に入れて捨てるようにしましょう。
マスクの種類で効果が違う
※理化学研究所・神戸大学・豊橋技術科学大学研究チーム 「豊橋技術科学大学プレスリリース」を元にHealth Amulet編集部作成
不織布マスクや布マスク、フェイスシールドなど、さまざまな種類のマスクがあります。マスクの種類によって、飛沫やエアロゾルを防ぐ力が違います。理化学研究所や神戸大学などが、スーパーコンピューター「富岳」を使い、新型コロナウイルス感染症への効果的な施策を探る研究を行っています*4。
研究結果によると、不織布マスク、布マスク、ウレタンマスク、フェイスシールド、マウスシールドの順に防止効果がありました(図参照)。飛沫の吸い込み量はマスク無しの状態と比較して、不織布マスクの場合は70%カット、ウレタンマスクの場合は30~40%カット、フェイスシールドやマウスシールドの場合は小さな飛沫に対しては効果なし、としています*5。
新型コロナウイルスの微粒子を室外に排出するためには、こまめな換気も大切です。室内温度が大きく上がらない又は下がらないよう注意しながら、定期的な換気を行いましょう。
参考文献:
※1 厚生労働省 「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 2020 19-COVID」第4.1版
※2 東京大学保健センター「感染の方法」
※3 厚生労働省 「正しいマスクの付け方」
※4 理化学研究所・神戸大学 研究チーム 「「室内環境におけるウイルス飛沫感染の予測とその対策」の進捗状況と成果の説明」
※5 豊橋技術科学大学 「新型コロナウイルスに関する情報<マスク編>データから見るマスクの効果」
※2021年1月現在の情報を参考に作成しています。
作成:Health Amulet編集部