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体には、体の中に入ってきた病原体を倒す「免疫」という力が備わっています。生活習慣やワクチンによってこの力を強めることができます。免疫を上手に使い、感染症から生活や身を守りましょう。
免疫の力を頼って人は生きてきた
免疫とは、体の中に入った病原体を倒す体の仕組みです。免疫は、一度闘った病原体を覚えておく力を持っており、効率的に病原体を倒すことができます。こうした免疫の力は、紀元前5世紀もの昔から知られていたとされています*1。ただし、19世紀になって病原体や感染症の研究が始まるまで、免疫は科学的に研究されずにいました。
自分の免疫力を知りたい!
免疫力を簡単にチェックすることはまだできていません。人間がもつ免疫は素晴らしい仕組みですが、さまざまな担い手が絡み合ったとても複雑なものです。免疫の担い手の一つを取り上げて、「○○細胞が増える」「○○抗体が上がる」というニュースもありますが、それが免疫全体の力にどう影響するかはっきりした証拠もまだありません。
どうやったら免疫は強くできるの?
免疫の力を高めるだろうと考えられている生活習慣を、ハーバード大学医学部が発表しています*2。そこでお勧めされているのは以下のような生活です。
- 喫煙しない
- 果物や野菜を多くとる(よほど偏食でない限り、サプリなどが免疫力を高める証拠はありません)
- 定期的な運動
- 適正な体重の維持
- 飲酒は適度に
- 十分な睡眠
- まめに手を洗うなど、感染を防ぐための取り組み
- ストレスを最小限に抑える
一方で、免疫力を下げる原因としてわかっているのは、一部の病気や薬の副作用のほか、誰もが避けがたい加齢です。若い人と比べて、高齢者は感染症にかかる可能性も、それが重症化して亡くなる可能性も高いのです。また、インフルエンザワクチンの研究ではワクチンの効き目は子供に比べて高齢者で低いことが示されています。ただし、加齢がどのように免疫力を下げるのかはまだはっきりしていません。
体の記憶力を使って「免疫」を強める方法:ワクチン
ワクチンは、体の抵抗力である免疫を強めて感染症から体を守ります。免疫には記憶力があって一度闘った相手のことを覚えてくれます。このおかげで、私たちの体は一度かかった感染症にはその後かかりにくくなります。ワクチンは、感染症になる前に免疫に「練習」をさせて相手のことを覚えさせ、抵抗力を鍛える道具です。ワクチンの正しい知識をつけて、上手に使うようにしましょう。
参考文献:
※1 A Concise History of Immunology
※2 Harvard Health Publishing 「How to boost your immune system」
※2020年12月現在の情報を参考に作成しています。
作成:Health Amulet編集部