感染症から身を守るための​基礎知識 第2回 防御と免疫、標準予防策、ワクチン

体に備わっている感染への2つの抵抗力:防御と免疫

感染症にならないために体に備わっている力が2つあります。一つは病原体を体の中に入れない力(防御)です。体の外と触れる皮膚が代表的で、鼻や胃腸の粘膜にもそうした力があります。もう一つは、体の中に入った病原体を倒す力で「免疫」と呼ばれます。免疫は、一度闘った病原体を覚えておく力を持っており、効率的に病原体を倒すことができます。

ちょっとした習慣で「防御」の力を強める:標準予防策

医療従事者向けの感染予防策として、米国の疾病予防管理センターが「標準予防策」を提唱しています*1。その中では、以下のような取り組みが薦められています(抜粋)。

  • 手洗い

  • 咳エチケット

  • 手袋、マスクなどの使用

  • 周囲の消毒

感染の予防策として生活に取り入れてみましょう。

体の記憶力を使って「免疫」を強める方法:ワクチン

ワクチンは、体の抵抗力である免疫を強めて感染症から体を守ります。免疫には記憶力があって一度闘った相手のことを覚えてくれます。免疫のおかげで、私たちの体は一度かかった感染症にその後かかりにくくなります。ワクチンは、感染症になる前に免疫に「練習」をさせて相手のことを覚えさせ、抵抗力を鍛える道具です。ワクチンの正しい知識をつけて、上手に使うようにしましょう。